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 久しぶりに「小さな勇者」の続きです・・・


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「下顎の骨折箇所が溶けてしまい
 4mmくらい隙間があいてしまった・・・」


だと!?

まさに・・・耳を疑うしかなかった。


骨がつきますようにと祈ったこの3ヶ月は
一体なんだったんだ!?


「骨が溶けてしまう子は初めてで、
 これ以上はちょっとぉ・・・」


院長の言葉はあまりにも頼りなく
この病院を選び、通い続けていた自分達を恨んだ。

今更、骨折に強い病院を紹介しますと言われても
そんな言葉は右から左へと通り過ぎるだけだった。
  

先にも書いたが医師は神ではない・・・
それはわかっている。
「完璧」「絶対」「100%」などない・・・
それもわかっている。
けれど、その気持ちを差し引いても
やっぱり・・・『ありえない』

そう、この言葉しか思いつかなかった。
僕らはこの日を境にこの病院へ行くのをヤメた。





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それから、数日後、、、


最初からここへ来れば良かった(>_<)


と、つくづく後悔したのは
とある動物病院の診察室でだった。

ここはとても歯科医療に力を入れていて
テレビや雑誌などでも度々紹介されていた。
歯や口腔内に強く、さらに骨折についても知識がある病院を探す中で
唯一ここならばと思ったのがこのF動物病院だった。

もちろん診察は院長先生に診ていただいた。


「なぜこんなになるまで・・・
 もっと早く連れてきてくれれば・・・」


院長先生の最初の言葉はこれだった。



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院長先生の口から次々と飛び出す驚愕の事実に僕らは愕然とした。


まずは、ハルは重度の・・・それもかなり進行した歯周病だということ。

サンにぶつかられたのは単にきっかけであり、
 それがなくてもいずれゴハンを食べるとか何気ない行為で
 下顎は骨折してしまったであろうということ。

また、骨を繋ぐためのワイヤーが細菌の温床となってしまっていたこと。

そのワイヤーは骨折箇所から外れてしまっているうえ、
 歯肉を突き破り舌さえも傷つけていたこと。

さらに、口腔内に飛び出たワイヤーから細菌がどんどん中に入り、
 ものすごいスピードで下顎骨を溶かしていること。

そして、何よりも驚いたことは、院長先生いわく、かかりつけの病院は
 そういった知識が全くなかったのではないかということだった。



それというのも、通常の下顎骨の骨折だけならば、
ハルが受けた手術で間違いはないらしいのだが、
しかし、それが「骨折」+「歯周病」の場合は、
特に小型犬は要注意だそうだ。

なぜなら『歯周病』はヒドくなると細菌がどんどん繁殖し、
歯根周辺の骨を溶かし、さらに下顎の骨が吸収され
薄くなってしまうのだそうだ。
だから、まずは「歯周病」をやっつけなければ
治る骨折も治らないというわけだ。
 

なので、ハルが最初に受けた手術・・・
抜歯もせず、歯周病でおかされた口腔内をそのままにして、
骨折した下顎骨をワイヤーで固定するということは、

細菌さん、どうぞ好きなだけ

骨を溶かしてください!

・・・という行為なのだそうだ。


「そこの病院が知識がなかったとはいえ、
 正直いってありえない治療の仕方です」




たしかに、かかりつけの病院でも「歯周病」の認識はあった。
しかし、歯周病でグラグラした歯を抜くと、
そこも骨折してしまう恐れがあるため抜歯はできないと言っていた。
そう言われてみてから色々想い出してみると、
かかりつけの病院は歯周病を伴う下顎骨折の治療について
の知識や経験は全くなかったのかもしれない・・・。

おまけに、、、これにも結構驚いたのだが、
数ヶ月前に撮ったCTデータをF動物病院にも持参して見てもらったのだが、
かかりつけの病院長が「絶対外れてない!」と言い切っていたが、
ここの院長先生も検査技師と全く同じ見解だった。


2対1・・・やっぱりワイヤー外れてたんじゃ〜ん。
かかりつけの病院は一体どんだけヤブだったんだ(-_-;)

そう思わずにはいられなかった。



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それと院長先生はハルのこの状況を見て、
かなりの痛みを毎日感じていたはずだと言った。
僕らは少しでもよくなるようにとしてきたことが、
ハルにとっては苦痛の毎日でしかなかったのだと思うと、
本当に本当に胸が苦しくなった。

もっと早くこの病院へ来ていれば、
ハルの苦痛も最小限で済んだのに!

かかりつけ病院で「?」を感じたあの時、
あの瞬間になぜ行動を起こせなかったのか悔やむばかりだ。


普通、歯周病についての知識がある病院ならば、
重度の歯周病の子の場合、問題のある歯は
そこが骨折しようが全て抜いてしまうそうだ。
そうしなければ細菌の繁殖を止められず、
ハルのようには骨を溶かしてしまうからだ。
当然、F動物病院でもほとんどの歯を抜くことになると宣告された。



余談だが、小型犬は大型犬に比べ、
歯根部の底が下顎の骨の底と同じくらいの位置にある。
大型犬は身体に比べ歯が小さく密度が薄く下顎の骨が厚く頑丈だが、
小型犬は身体に比べ歯が大きく密度が濃く下顎の骨がその分薄く弱い。
そのため下顎骨の歯周病が進行し骨が溶け出すと、
下顎骨が吸収されてさらに薄く脆くなり簡単に折れてしまうのだそうだ。
なので、普段からのデンタルケアが大事だとのこと。
歯磨きが不充分だと、食べかすが溜まり細菌が繁殖しはじめ、
歯肉が腫れて歯肉炎になり、さらにそれがひどくなると
歯石や口臭が増え歯周炎となり、重度になると顎の骨を溶かしてしまったり、
鼻腔や顔などにも穴が開いてしまうこともあるそうだ。

そう、、、歯周病をバカにしてはならないのだ。


ちなみに歯周病になりやすいワンコは、、、

小型犬(特におとなしい子やイタズラをしない子やオモチャで遊ばない子)
パグや狆などの短頭種
高齢犬や免疫力の低下している犬
デンタルケア不足の犬

、、、だそうだ。思い当たる方は今すぐにでも歯磨きを!




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初めての診察だというのに
術例や模型等を使って丁寧な説明をしてくれた上に
わからないことは全て納得いくよう説明してくれた。

そんな院長先生とよく相談した結果、
まず悪い歯をすべて抜き、細菌の温床となっているワイヤーを外し、
細菌で侵された骨折箇所の骨を削り、骨移植をして、
プレートなどは使わず歯肉だけで固定をすることになった。
 
しかし、開いてみないことには、、、
現在どれだけ骨が溶けてしまっているかわからないので、
その状況によっては歯周病の治療のみで、骨折自体は直せないかもしれない、、、
骨の両端を丸く削り一生骨が離れたままで過ごすか、
最悪、下顎自体を切除する可能性もあるという説明を受けた。

さすがに下顎切除は戸惑ったが、覚悟しなければならない・・・


手術は年末、、、この時点でハルは年越しを病院ですることが決まった。
ただし、F動物病院はありがたいことに年末年始もやっているとのことなので
面会時間内であればいつでもハルに会えるという。これにはちょっとホッとした。


約10日後、、、ハル入院。
またしても麻酔&手術・・・これが本当に本当に最後だよ。
そう言い聞かせ、ギュッと抱きしめ病院に預けた。
手術の時間がいつになるかわからないため
一旦帰宅するが落ちつかない・・・

夕方、自宅の電話が鳴る。院長先生だった。
 
開いてみたら4mmどころか、

15mmも溶けてしまっていて

骨折箇所の治療はワイヤーを外し、

細菌に感染した骨の切除までしかできない

とのことだった。
正直ショックだったけど、その可能性もあると聞いていたので
悪い方に転がったんだと受け止めるしかなかった。

それにしても・・・4mmと思っていた場所が15mmもあいてたなんて。 
よくなりますよ〜に!と毎日過ごした3カ月間の間、
少しずつ少しずつ細菌達がハルの骨を蝕んでいたと思うと・・・!!!
おまけにワイヤーが歯肉を突き破って口腔内に出ていれば
痛くて痛くて、ゴハンだってまともに食べられないよなぁ。
顔だって触れたくなかったよな・・・(-_-;)

やっぱりダメな飼主だ。
ハル・・・本当にごめんm(_ _)m



でも、
院長先生の話しはそれで終わらなかった。
まだ可能性は残っていると言う。


望みが完全に消えてしまったわけではなかったようだ・・・。



つづく


現在の小さな勇者ですが
だいぶ元気になってきましたよぉヽ(*´ヮ`)ノ
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